芝生の維持管理について

「芝生は管理が大変でしょう?」と多くの方から言われます。
確かにサッカー場や競技場のようなキレイな芝生をつくるなら、人手も費用もたくさんかかるでしょう。
でも、私たちが目指しているのは、見た目は多少粗くても強くて手間のかからない芝生です。
特に維持管理の省力化は、芝生の校庭の普及に不可欠なポイントです。ここでは、いわゆる「粗放管理」を前提にしたメンテナンスについて紹介します。

>> ポット苗方式による芝生化と日照時間

維持管理に必要なこと

どんな芝生でも、維持管理に必要なことはほぼ共通しています。
水やり、肥料やり、芝刈り、目土による補修、草引き、エアレーションです。
つまり、これらの回数をどれだけ抑えられるかが、「粗放管理」を実現できるかどうかのポイントです。また使い方を工夫して、芝生を長持ちさせることも大切です。
以下に、芝生スピリットが行っている、代表的な年間の管理の概要をまとめました。
諸条件により必ずしも同じ様に行えるわけではありませんが、ひとつの参考としてください。

水やり

雨水のみ(散水は夏場のみ数回)
芝生の管理に不可欠とされる水やりですが、芝生スピリットでは、養生後はできるだけ散水は行わず雨水だけでの散水を目指しています。
毎日の水やりなど過剰な散水はかえって弱い芝生を作ってしまいます。
十分に根を降ろした芝生なら、表面に水分がなくても地中から吸収することが可能です。
桜の宮小学校での実績(2001~2002年)でも、夏場(8月)に数回実施した他は年間を通してほとんど散水は行っていません。(ただし乾燥が続き、芝生の葉が内側に巻いたようになっている時は適宜散水が必要です。散水の際は、水たまりができるぐらいたっぷりと、地中にしみ込ませるように行います)
ただし、運動会の後や芝生の上でイベントを行なった後など、激しく芝生を使った場合は使用後散水することが必要です。また、施肥を行なった後も散水が必要です。

肥料やり

月1回程度
校庭の土壌は、必ずしも植物の生育に適していません。
このため適宜肥料を補給する必要があります。
肥料は一般のホームセンター等でも購入できます。
散布は機械を使用する場合もありますが、手作業でも十分に可能です。子供たちや保護者の方もぜひ実践してみてください。
まいた後は、散水が必要です。(1回当たりの肥料の目安は40g/m2。なお肥料の種類や量は芝生の状態により変わります)
天気予報を見て雨が降る前に行なうと、散水の手間が省けます。

芝刈り

芝生は刈り込み回数を増せば増すほど密度が高くなり、良い芝生になります。
スポーツ施設の芝生の場合は週数回という高頻度で行うことが多いですが、校庭の場合はそこまでの頻度は必要ありません。
また耐久性を考えて、芝生の刈り高も5cm程度と長めにしています(サッカー場は2cm程度)。
ただし校庭は使用頻度が高いため、特に芝刈りをしなくても5cmまで伸びないケースが多いです。
学校の事情に合わせて行うことが重要です。

目土による補修

随時
部分的に芝生がはげた場合は、土を入れて補修します。
土を入れることで周囲の芝生の茎が伸びて元の状態に戻ります。土は補修用として別に用意しておきます。

草ひき

芝刈りの頻度を上げれば必要ありません。
スポーツターフのような精度を求めなければ、あまり神経質にすべての雑草を抜く必要はありません。
クローバーなどは窒素を土壌に固着させる効果もあるため、ある程度はあった方がいいという考え方もあります(多すぎるのは問題ですが)。
また初期の養生で密度の高いターフを形成していれば、雑草も入りにくくなります。

エアレーション

2年に1回程度
校庭の土は毎日踏み固められています。カチカチになると空気が地中に入らなくなり、芝生の生育に支障がでます。
このため2年に1回程度、土をほぐす作業が必要です。「エアレーション」と呼ばれる作業で、通常は専用の機械を使って行います。

使い方

特に使用に際しての注意はありません。仮に芝生がはげたとしても、適度に休ませることで再生させることは十分可能です。
ただし同じ所を高頻度で使っていれば、芝生は必ず傷みます。
たとえば体育の授業で使用する場所を日によって変えたり、野球のホームベースやサッカーのゴールの位置を変えるなど、使い方を工夫することで芝生を長期間良い状態で維持することが可能です。

維持管理費の目安

すべての作業を専門業者に任せると、維持費だけで年間かなりの負担になります。
可能なことはできるだけ自分たちで行うことが費用を抑えるポイントです。
芝生スピリットでは、学校ごとの諸条件を考慮して維持管理費を抑える方法をご提案致します。